2019年08月25日
「合わせる」こと
ブログ


音楽で言えば合唱、合奏。
音が外れたらどうしよう!
音が出なかったらどうしよう。
一人だけ変な音を出してしまったらどうしよう!
わたしのせいでみんなに迷惑をかけてしまったらどうしよう!
合わせるのが楽しくてやっていたはずが、いつの間にか大きな悩みになっていることが多いようです。
たいていの人は「音程が悪い」ことを気にしていて、チューナーを片手に、「正しい音程」にしなくちゃ、と自分の出す音に神経を尖らせています。
わたし自身がアレクサンダー・テクニークや分離唱のレッスン、または披講の勉強で理解したことは、「音は合ってしまう」ことです。
「合わせない。」
「聞かない。」
と意図しない限り、音は自然にまわりと調和する状態へと進んでいくのです。
「合わせない」、「聞かない」と意図してみてください。
もしくは「わたしはまわりとは違う。」と思ってみてください。
緊張が生まれ、たくさんのエネルギーを使いませんか?
自分自身がリラックスして、音楽全体が入ってくる状態にあれば、音は自然とあるべきところに落ち着いてしまう。
それがこの世界の原理だと思うのです。

邪魔しなければ、調和してゆく。
必要なのは、自分の状態と、全体の進むべき方向を理解していることだけなのです。
面白いのは、この音楽で得た教訓は人間関係にも当てはまることです。
常にまわりに合わせようと緊張し、自分の意思も状態も、全体の進むべき方向も理解していなければ(見えていなければ)、空回りに終わってしまいます。
もしくは、無意識のうちに望んでいない全体の大きな流れに呑み込まれてしまうことがある。これは、自分の意思を尊重してこなかったことの積み重ねの結果かもしれません。

もっとも大切なのは、自分自身を理解し、常に自分の状態を整えること。
それは他人にはできません。
情報をくれるのは、自分のからだです。

まずは自分のチューニング。
そうすれば、自然に全体の情報が入ってきます。
その中で、自分の望む方向へと、ひとつひとつ選択してゆく。
合わせる努力は、さほどいらないと思うのです。
わたしたちはもともと調和しているのです。
アレクサンダー・テクニークも分離唱も、そのための練習です。
ぜひこのツールをご自分のものにすることをお薦めします!